
実験では身体サイズの大小の差がはっきりつく2グループのオスのハエを選んで用意し、メスのハエとの交尾を記録した。
すると例えば異なるオスと2回の交尾の後に2回目で受胎した場合、驚くことに孵った子どもは最初に交尾したオスのボディサイズに近くなることが判明したのだ。
つまり、最初に身体の大きなオスと交尾したもののその交尾では受精せず、2回目の身体の小さいオスとの交尾で卵が受胎した場合、その子どもはどういうわけか最初のオスの子どもであるかのように身体が大きくなるのだ。
もちろんDNA的には小さなオスとの間にできた子どもなのだが、最初のオスの精液に含まれていた化学物質がその子どもに影響を及ぼすと考えられている。
「実の父親のDNAが子どもに遺伝することは確かですが、実際の遺伝はそう単純な話ではなく、もっと複雑な要素があると確信しています」とニューサウスウェールズ大学のラッセル・ボンデュリアンスキ教授は英紙「Daily Mail」の記事で言及している。
母親が1人しか男性体験がないまま受胎したとすれば話はかなりシンプルになるのだろうが、そうではない場合、女性はこれまで付き合った男性の要素を体内で“保管”し、場合によってはその要素を新生児に伝えていることが指摘されることになった。
「女性は妊娠を前提にせずとも、おそらく後世に伝える男性の要素をえり好みできる存在なのです。彼女たちが過去の性交渉でその男性から獲得したものが、将来の我が子に影響を及ぼすのです」(ラッセル・ボンデュリアンスキ教授)
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