
https://www.bbc.com/japanese/56150912
米でエンジン故障のボーイング機、日米などで同型機の運航停止
米ユナイテッド航空のボーイング777型旅客機が、離陸後まもなくエンジン故障を起こしたことを受け、同社は21日、同型の旅客機24機すべての運航を停止すると発表した。
ユナイテッド航空328便は20日、乗客231人、乗員10人を乗せ、コロラド州デンヴァー空港からホノルルに向けて離陸。米連邦航空局(FAA)によると、右翼エンジンが故障し、デンヴァー空港に戻った。けが人はなかった。
その際、旅客機の破片が上空から住宅地に散らばるように落下した。
この事故を受け、日本政府は事故機と同じプラット&ホイットニー4000エンジンを搭載しているボーイング777型機すべてについて、運航停止にするよう日本航空と全日空に指示した。
日本では那覇空港で昨年12月、日航機が左エンジンの故障で引き返すトラブルが発生した。このときの旅客機は、20日の事故機と同じく、製造から26年目の機体だった。
ボーイングは日本の決定を支持
米ボーイングは、日本政府の決定を支持するとともに、今回の事故について調査を進めている間、事故機と同じエンジンを備えたすべての777型機の運航を止めるよう勧告した。同社によると、同じエンジンを搭載した777型機は現在、世界で69機稼動しているという。
米連邦航空局(FAA)によると、それらの旅客機はアメリカではユナイテッド航空だけが運航している。同国以外では、日本と韓国の航空会社が運航しているという。
FAAは同じ旅客機の緊急検査を指示するとともに、エンジンメーカーとボーイングの代表と協議している。
FAAのスティーヴ・ディクソン長官は、「初期段階の情報から、ボーイング777型機だけに使われているこのモデルのエンジンについて、中空ファンブレードの検査間隔を短くすべきだとの結論に至った」との声明を発表した。
米国家運輸安全委員会(NTSB)の初期段階の調査では、損傷の大部分は右エンジンで発生した。ファンブレードの2枚が壊れ、別のブレードも衝撃を受けていたという。機体の主要部分にはわずかな損傷しか見受けられないという。
「激しく揺れた」
事故機に搭乗していた乗客たちは、離陸後まもなく「大きな爆発」があったと語った。
デイヴィッド・デルシアさんは、「飛行機が激しく揺れ出した。高度が落ち、下降し始めた」と述べた。
デルシアさんと妻は「墜落した時に身元が確認できるよう」ポケットに財布を入れたという。
コロラド州ブルームフィールドの警察は、エンジン前部とみられるリング状のものが民家の前庭に落ちている様子の写真を公表した。フットボール場など同町の各所に、旅客機の破片と思われるものが散乱している状況も写真から確認できる。
落下物でけがを負った人はいないという。
2018年には、ユナイテッド航空機がホノルルの空港への着陸直前に、右エンジンが壊れる事故があった。NTSBは調査の結果、エンジンのファンブレード1枚が完全に割れていたことが原因だったとした。